競争優位という概念は、今でもマーケティング戦略で重要だと思います。ただ、2000年ごろを境にして、その中身はずいぶんと変わってきました。1つの大きな変化は、それまでの市場シェアをベースとした「戦争型の競争」のウエイトがだんだんと低くなり、それに代わって「恋愛型の競争」が重視されてきたことです。言い換えれば、競合他社との相対的な競争ではなく、顧客との間の絶対的な競争にそのウエイトが移ってきたんですね。なぜなら、いくら相手を叩いても、肝心の顧客から好かれなければ意味がない時代になってきているからです。
なぜそうなったかというと、現代の競争は、以前と違って競争相手がはっきりわからなくなっているからです。同じ業界のナンバーワンに打ち勝つといった単純な競争の図式が、見当たらなくなっているんです。
例えば、コンビニとファストフードは“中食”という部分で競合になります。食生活という軸でとらえれば、“内食”を担っていたスーパーも、ミールソリューションで“中食”に進出してきました。“内食”や“外食”との差別化から生まれたはずの中食産業自体が、それらと競合関係になってきたのです。
こうなると、競合に対する競争優位という考え方は非常に難しくなります。そこでもう一度、原点である顧客に意識を戻すべきだという話になっていったわけです。日本でも、そういう傾向が顕著になってきたので、私は恋愛型競争の時代になったと言い始めたわけです。
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